勝ち投手の条件とは?【具体例をだして、分かりやすく解説】

  • 2020年10月27日
  • 2021年2月24日
  • 記録

こんにちは、たっけーです。

プロ野球中継を見ていたら「5回を投げ終わって、勝ち投手の権利を得ました」と言っていましたが、勝ち投手の権利とは何ですか?他の試合では、1イニングしか投げていない投手が、勝ち投手になっていました。なぜですか?他にも勝ち投手の権利は、ありますか?

このような悩みを解決していきます。

本記事の内容

  • 勝ち投手の権利とは
  • 先発投手の勝ちの権利
  • 救援投手の勝ちの権利
  • 勝ち数の記録(通算、シーズン、その他)
  • オープナー、ブルペンデーの勝ち投手とは
  • オールスター、オープン戦の勝ち投手の規則

をそれぞれ解説します。

本記事の信頼性

たっけー
野球歴30年のたっけーが解説
NPB(プロ野球)の情報、公認野球規則、ネット情報をもとに記事をまとめました。
本記事を読むことによって、どんな時に勝ち投手の権利がつくのか分かります。また勝ち投手に関するさまざまな記録も、合わせて紹介します。
勝ち投手の権利は、「5回まで投げて勝ち投手」、「決勝点の前に投げていた投手」だけではありません。少し複雑ですが、その他の勝ち投手の条件も分かりやすく説明していきます。

負けについては、こちらの記事で解説しています。

»敗戦投手の条件とは?【記録やランキングも紹介】

ホールドやセーブについても解説しています。

»野球のセーブがつく条件とルールとは?【歴代、最新ランキングも掲載】
»野球のホールドとは?【意味や条件、ランキングを紹介】

それでは本題に入っていきましょう。

勝ち投手の権利とは?

勝ち投手の権利とは?

そもそも勝ち投手が、どのように決まるのか説明します。

公認野球規則9.17には下記のように記されています。

ある投手の任務中、あるいは代打者または代走者と代わって退いた回に、自チームがリードを奪い、しかもそのリードが最後まで保たれた場合、その投手に勝投手の記録が与えられる。

引用 公認野球規則9.17

分かりやすく言うと

勝ち試合で決勝点が入った時、前の守備で投げていた投手に勝ちがつきます。
勝ちチームに、必ず勝ち投手がいます。

これが基本になります。

基本をふまえた上で、先発投手、救援投手(中継ぎ、抑え)の勝ちについてみていきます。

先発投手の勝ちの権利

先発投手が勝ちの権利を得るためには、どんな条件が必要なのか説明していきます。

公認野球規則9.17には以下のように記載されています。

先発投手は、次の回数を完了しなければ勝投手の記録は与えられない。
(1)勝チームの守備が6回以上の試合では5回。
(2)勝チームの守備が5回(6回未満)の試合では4回。

引用 公認野球規則9.17

分かりやすく、まとめると

・9回で終了(通常の試合)→5回投げ切ると、勝ち投手の権利
・6回未満で終了(降雨等)→4回まで投げ切ると、勝ち投手の権利

※5回未満で勝ち投手になったケースは、10例ほどあり後で紹介します。

注意点

降板後、2番手投手が同点、逆転された場合は勝ち投手の権利が無くなります。

スコア表

Jチームの先発投手が、6回まで投げ勝ち投手の権利を得て降板。

しかし7回に2番手投手が、3失点で同点。
この時点で先発投手の勝ちの権利がなくなります。

救援投手の勝ちの権利

次に救援投手の勝ちの権利です。

基本として先発投手に勝ちがつかなかった時に、救援投手に勝ちがつきます。

これは分かりやすいですね。

試合パターンは2つ。

  1. 同点や逆転等のシーソーゲーム(点の取り合い)
  2. 常にリードしている試合で、先発が5回未満で降板

詳しくみていきます。

①同点や逆転等のシーソーゲーム(点の取り合い)

勝ち越した直前に投げていた投手が、勝ち投手です

スコア表

【Jチームの投手成績】

失点
投手A63
投手B10H
投手C10
投手D10S

上記の例ですと、9回に勝ち越し点が入っているので、直前の8回に投げていた投手Cに勝ちがつきます。

仮に投手Cが1球しか投げていなくても、勝ちがつきます。
「1球で勝ち投手」のようなニュースがたまにありますね。

ちなみに投手Bにホールド、投手Dにセーブがつきます。

関連記事 

»野球のセーブがつく条件とルールとは?【歴代、最新ランキングも掲載】
»野球のホールドとは?【意味や条件、ランキングを紹介】

②常にリードしている試合で、先発が5回未満で降板

結論からいうと、公式記録員が勝ち投手を決めます。

スコア表2

【Jチームの投手成績】

失点
投手A33
投手B10
投手C21
投手D21
投手E10

試合はJチームが常にリードしています。

先発投手Aは3回で降板したので、勝ち投手の権利がありません。すでにリードしているので、中継ぎ投手の誰に勝ちを付けていいのか分かりません。

この場合、公式記録員の印象で決まります。

なぜこのようになるのか説明します。

公認野球規則9.17では、以下のように記載されています。

救援投手が1人であればその投手に、2人以上の救援投手が出場したのであれば、勝利をもたらすのに最も効果的な投球を行ったと記録員が判断した1人の救援投手に、勝投手の権利を与える。

引用 公認野球規則9.17

つまり

救援投手が1人→その投手
救援投手が2人以上→公式記録員が勝ち投手を決める

「公式記録員が、勝ち投手を決めるは」「ちょっと・・・」となりますよね。ですがこのようになっています。

公式記録員の印象ですが、ある程度の基準が決まっています。

公式記録員が勝ちを決める基準
優先度は、上から順。

  • 投球回数
  • 失点、自責点、得点させた走者、試合の流れ、登板時の状況
  • 全て同じなら先に投げている投手

このようになっていて、記録員の印象で勝ち投手が決まります。

例でいくと投手CかDの可能性が高い。
※試合内容によって変わります。

印象ってどうなんでしょう?
エラーも同じですが・・・。

難しいですが、分かってもらえましたか?

オープナー、ブルペンデーの勝ち投手は?

はやりのオープナーやブルペンデーも、上記のような基準で勝ち投手が決まることも。

まずは、投げた回数をみると、勝ち投手が分かるかもしれません。

オープナーの負け投手については »敗戦投手の条件とは?【記録やランキングも紹介】で解説しています。

オープン戦、オールスターの勝ち投手

オールスターやオープン戦については、勝ち投手の権利が変わります。

野球規則9.17(e)にこのように記載されています。

選手権試合でないオールスターゲームのような場合には、本条(b)は適用されない。このような試合の勝投手の記録は、勝ちチームが試合の最後までリードを保ったときには、そのリードを奪った当時投球していた投手(先発あるいは救援)に与える。

引用 野球規則9.17(e)

まとめると

先発、救援の区別はなく、勝ち越し点の直前に登板した投手に勝ちがつきます。

次は、「勝ち」について掘り下げてみます。

【勝ち】の問題点

主な問題点をあげると

  • 1球で勝ち
  • 100球投げても負け
  • 10点とられても勝ち
  • 1点とられても負け

のように、公平性に欠ける点です。

勝ち数は、野球を楽しむ目安でありますが、「1勝の価値」は、一つずつ違います。

「1球で勝ち」と、「100球で勝ち」は違いますよね?
「1球で満塁をおさえた勝ち」と、「1球で走者なしをおさえた勝ち」は違いますよね?

数字だけ追いかけていると、数字に隠された本当の価値が分かりません。

セイバーメトリクスでは、こういった理由で「勝ち」に対して全く評価されていません。

関連記事 »【初心者でも分かりやすい】セイバーメトリクス用語集

ただ選手目線で見れば、どんな内容であれ勝ちがつくことに対して、嬉しいはずです。

また公式記録員が、勝ちを誰に付けていいのか迷っている姿を想像すると、大変な仕事だなと思ったりもします。

「気持ちとデータ」「選手と記録員」いろいろな視点から見れば、違った野球の楽しみ方ができるかも。

ここからは勝ちに関する記録をみていきます。

勝ち投手に関する記録

勝ち投手に関する記録

勝利数【通算】

順位投手勝利数登板負け
1金田 正一400944298
2米田 哲也350949285
3小山 正明320856232
4鈴木 啓示317703238
5別所 毅彦310662178
6スタルヒン303586176
7山田 久志284654166
8稲尾 和久276756137
9根本 隆夫254867255
10東尾 修251697247

10位以下のランキングはこちら »勝利数【通算記録】

負け投手の記録やランキングは、こちらから »敗戦投手の条件とは?【記録やランキングも紹介】

通算勝利数【現役選手のみ】

2020年シーズン終了まで

順位投手勝利数登板負け
1石川 雅規173487171
2涌井 秀章144437132
3和田 毅13827071
4内海 哲也134328103
5岸 孝之13230184
6金子 弌大12937688
7松坂 大輔11421865
8岩隈 久志10722669
9能見 篤史10444393
10大竹 寛102372101

10位以下はこちら »通算勝利数【現役選手のみ】

敗戦数のランキングは、こちらから»敗戦投手の条件とは?【記録やランキングも紹介】

勝利数【シーズン記録】

順位投手名勝利数年度登板負け
1スタルヒン4219396815
1稲尾 和久4219617814
3野口 二郎4019426617
4真田 重男3919506112
5須田 博3819405512
5杉浦 忠381959694
7稲尾 和久351957686
7権藤 博3519616919
9藤本 英雄3419435611
10野口 二郎3319396919
10野口 二郎3319405711
10別所 毅彦3319525213
10稲尾 和久3319587210
10小野 正一3319606711

10以下のランキングは »勝利数【シーズン記録】

敗戦数のシーズンランキングは、こちらから »敗戦投手の条件とは?【記録やランキングも紹介】

連勝記録ランキング【通算】

連続勝利は、敗戦投手にならない限り中断されない。間にセーブや引き分け、勝敗無しが入っても継続される。

順位名前連勝数
1田中 将大28連勝2012~13年
2松田 清20連勝1951~52年
2稲尾 和久20連勝1957年
4中田 良弘18連勝1981~85年
5足立 光弘17連勝1970~71年
6斉藤 和己16連勝2003年
7高橋 一三15連勝1969年
7間柴 茂有15連勝1981年
7上原 浩治15連勝1999年
7斉藤 和己15連勝2005年

先発投手【5イニング未満で勝利投手】

  • 藤村 富美男(1951年10月7日、大洋戦)
  • 清水 宏員(1952年9月23日、大映戦)
  • 北原 啓(1954年7月21年、東映戦)
  • 阿部 八郎(1954年8月11日、南海戦)
  • 杉本 正(1981年8月22日、南海戦)
  • 柴田 保光(1982年10月2日、日本ハム戦)
  • 田之上 慶三郎(1997年10月4日、西武戦)
  • 川越 英隆(2000年5月9日、近鉄戦)
  • 関根 裕之(2000年8月22日、オリックス戦)
  • アリエル・ミランダ(2019年5月19日、日本ハム戦)

6回未満(降雨コールド等)で中止になったケースです。

対戦打者0の勝利投手

  • 小林 雅英(2000年7月2日、オリックス戦)
  • 久古 健太郎(2014年5月3日、阪神選)

盗塁死と牽制死による。

【まとめ】勝ち投手の条件とは?

まとめます。

勝ち投手に関する基本的な考え方

  • 先発投手なら5回以上投げ、リードしている(1度も追いつかれていない)
  • 救援投手なら、決勝点をあげた直前に投げていた投手

これ以外の時は、公式記録員が決めます。

問題点もありますが、観戦する際の参考になればと思います。

関連記事 »プロ野球をお得にネット、テレビで視聴する方法