犠牲バントは有効な戦術なのか?【セイバーメトリクスの視点から解説】

こんにちは、たっけーです。

悩んでいる人
・犠牲バントは、意味のある戦術ですか?
・「バントが有効な戦術ではない」と聞いたのですが、理由は?

このような疑問を解決します。

記事の内容

  • 犠牲バントは有効な戦術なのか
  • なぜバントは、無駄と言われるのか
  • 犠牲バントをするメリット
  • 高校野球や短期決戦で、バントは有効な戦術なのか

以上をそれぞれ解説します。

記事の信頼性

たっけー
野球歴30年のたっけーが解説
現在も毎日野球観戦しています

本記事は、ネット情報、本の情報をもとに記事を作成しています。信頼性向上のため参考にしたURLもはっておきます。この記事はセイバーメトリクスの視点から、バントについて解説していきます

関連記事 »セイバーメトリクスの基本とは

本記事を読むと、犠牲バントをする理由、無駄、意味のない戦術と言われる理由が分かります。

それでは、本題に入ります。

犠牲バントは意味のある戦術か

犠牲バントは意味のある戦術か

結論 バントは、意味のない戦術です。

しかし場面によって、有効な場面もあります。なぜこのようになるのか、説明します。

得点期待値

バントをしたことによって、点が入る確率の変化をみてみます。

得点期待値から説明します。

ランナーやアウトカウントによって、どのくらい平均的に得点が入るかを表した表です。

分かりづらいので、実際の表を見てみましょう

※右にスクロールできます

2014~2018年
アウト走者状況
無走者一塁二塁三塁一二塁一三塁二三塁満塁
無死.450.8041.0711.2851.3861.6931.8602.103
1死.246.500.674.917.9041.1431.3371.504
2死.093.210.317.345.430.482.524.712

引用 セイバーメトリクス入門

「無死ランナー無しだと0.4点」「無死一塁だと0.8点」得点が入る見込みがある、といった表です。過去の結果から、算出された数字です。

この表を見ると、バントをすると得点見込みがどのように変化するか分かります。

ノーアウト一塁では.804、1死二塁では.674と得点期待値が変わります。この結果から、ノーアウト1塁の方が得点が高く入ることになり、バントをしないほうが得点が入りやすくなります。

そしてほとんどの場面で、犠牲バントをすることによって、得点期待値が下がります。
したがって、得点期待値から見ると、犠牲バントが有効な戦術ではないことが分かります。

「バントは有効な戦術ではない」と言いましたが、有効な場面もあります。

犠牲バントが有効な場面

9回であと1点だけとれば、勝ちが決まるといった場面です。

得点確率表を使って説明します。

ランナーやアウトカウントによって、1点以上入る確率を表した表です。

※右にスクロールできます

2014~2018年
アウト走者状況
無走者一塁二塁三塁一二塁一三塁二三塁満塁
無死25.2%40.2%60.3%78.9%60.7%83.5%82.8%82.6%
1死14.7%26.1%39.4%62.4%41.0%65.7%62.5%64.5%
2死6.2%12.1%21.6%24.8%22.4%25.1%27.1%31.4%

引用 セイバーメトリクス入門

無死一塁の40.2%から、犠牲バントをすると1死二塁39.4%になることから、得点の入る確率が下がります。どの場面でも、無死一塁からの送りバントは、少なくとも1点をとる確率も下げることが分かります。

得点確率表を見ると、バントをして唯一得点確率が上がるのは、ノーアウトでランナーが2塁にいる場合です。確率にすると、2%程度ですが上昇します。

1死3塁となれば、犠牲フライやゴロでも点が入るといったことに関係しているようです。

打力の損益分岐点

得点期待値はあくまでも、平均的な得点見込みを表しています。例えば.804の得点期待としたら、リーグの平均的な打者と投手が対戦した結果になります。

ここで、平均以下の打者がバッターとなった場合、どのような結果になるでしょうか。

投手がバントをするのと、4番バッターがバントをするのは、意味合いが変わってきますよね。「どのレベルの打者に、バントをさせたらいいのか」を見てみましょう。

結論から言うと、全ての打者にバントは、有効な戦術ではありません。

打率は.103以上、出塁率(加重出塁率)は.151以上ある場合は、打たせた方が効果的です。この数値は、野手の数値としてありえないくらい低い数値なので、当てはまる野手はいません。

関連記事 »加重出塁率とは?

計算方法も出ているのですが、難しいのでここでは省略します。詳しくはセイバーメトリクス入門をご覧ください。

高校野球や短期決戦でもバントは効果のない戦術なのか

高校野球や短期決戦でもバントは効果のない戦術なのか

犠牲バントは、効果のない戦術ということが分かりましたが、高校野球や短期決戦のクライマックスシリーズや日本シリーズでも効果のない戦術なのでしょうか?

これについては、アストロボールに興味深い内容がのっていました。
アストロボールは、最新のセイバーメトリクスに関する本

セイバーメトリクスは発達したが、ポストシーズンは、違った戦い方がある

引用 アストロボール

このようにのっています。

セイバーメトリクスの数字は、シーズンごと、数年単位の数字が一般的です。したがって短期決戦において、全てセイバーメトリクスの数字を当てはめることは危険です。

実際アストロボールでも、プレーオフは全く違う野球があるとも書かれています。

したがって、プロ野球のシーズンにおいて、バントは有効ではありませんが、短期決戦、高校野球では有効な戦術の可能性もあります。実際のデータがないので、どちらが正しいか今のところ分かりません。

今回のデータから高校野球や短期決戦でバントは、不要だという考え方は、危険です。

バントは有効な戦術か

犠牲バントについては、有効な戦術ではないことが分かりました。

しかし、バントが100%無駄な戦術かと言われると、そうではありません。打ってくると思った強打者が、バントをすることによって、1塁に出塁する確率も増えます。また守備側がバントを警戒することによって、打った際の安打の確率も増えます。

このようにバントのメリットもあります。

今回の検証で分かったことは、バントが100%意味のない戦術ではありません。

データと感覚どちらも比べながら、野球を見るといいですね。

プロ野球でもバントを選択した、裏の理由があるかもしれません。そんなことを考えながら野球を見ると、違ったことが分かるかもしれません。

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