【完全保存版】ホールド・セーブが付く条件について例題で分かりやすく解説

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【完全保存版】ホールド・セーブが付く条件について例題で分かりやすく解説

悩んでいる人

野球中継を見ていたのですが、ホールド(H)とセーブの付く条件が知りたい

このような悩みを解決していきます。

本記事はセーブとホールドの付く条件を中心に解説していきます。

野球のホールド(H)とは?

野球のホールドとは

投手の分業化が進み、中継ぎ投手を評価する成績がなかったためホールド(H)ができました。

「連投やピンチを抑えるのに、中継ぎ投手が評価されないのはおかしい」ということでできた記録です。

中継ぎ投手が、どのくらい勝利に貢献しているか評価する数字です。

先発投手=勝ち負け
中継ぎ投手=H(ホールド)
抑え投手=S(セーブ)

というイメージで記録がつきます。

ホールドとセーブの違い

中盤で投げる投手は、ホールド。
勝っている試合の最後に投げる投手が、セーブ。

こんなイメージです。

したがってホールドがついている投手はリリーフ投手、セーブがついている投手は抑え投手になります。

意味

ホールド(hold)は英語で保つという意味があり、「点数をたもつ」「試合展開を保つ」からきているそうです。頭文字をとってHと表示されます。

ホールドがつく条件

ホールドがつく条件

ホールドが記録につくためには、以下の全ての条件を必ず満たさなければいけません。

  1. 先発投手ではない
  2. 勝利投手ではない
  3. 敗戦投手ではない
  4. セーブが記録されていない
  5. 中継ぎで登板して、試合の最後まで投げた投手ではない
  6. 1アウト以上とっている
  7. 降板後、その投手の責任(出したランナー)で同点に追いついかれたり、逆転されたりしていないこと

上の条件を満たしたうえで、以下を一つでも該当するとホールドがつきます。また投手が登板した状況により条件が変わります。

自チームが勝っている場合

以下は、自チームが勝っている場合です。

  1. 3点以内のリードで登板、1回以上投げる
  2. 迎える2打者に連続本塁打を浴びたら、同点または逆転される場面で登板。
  3. 1アウト以上とって、リードしたまま降板
  4. 点差に関わらずリード時に登板し、3イニング以上投げる

詳しく説明します。

3点以内の勝っている場面で登板、1回以上投げる

3点以内の勝っている場面で登板、1回以上投げて勝っている状態のまま降板すると、ホールドが記録されます。

迎える2打者に連続本塁打を浴びたら、同点または逆転される場面で登板。1/3回以上投げて、リードしたまま降板

ごちゃごちゃしていてすいません。
難しいので、詳しく説明します。

イメージとしては、ワンポイントリリーフを想像してもらえると分かりやすいです。
その投手が投げる場面によって、ホールドの有無が変わります。

  1. ランナー無し=点差が2点差以内
  2. ランナーが1人=点差が3点差以内
  3. ランナーが2人=点差が4点差以内
  4. ランナー満塁=点差が5点差以内

それぞれの状況で1アウト以上とれば、ホールドがつきます。

例えば①の場合、ホームラン2本で同点になる場面となります。ですので、ホールドのつく条件になります。

②なら2ランホームラン+ホームランで同点になる場面です。ですので、ホールドのつく条件になります。

③なら3ランホームラン+ソロホームランで同点になる場面です。ですので、ホールドのつく条件になります。

④なら満塁ホームラン+ソロホームランで同点になる場面です。ですので、ホールドのつく条件になります。

④の場面でも点差が6点以上あると、2本ホームランを打たれても同点に追いつかれないので、仮に0点に抑えてもホールドはつきません。

このように厳しい場面で登板した場合は、1アウトでもホールドが記録されます。

点差に関わらずリード時に登板し、3イニング以上投げる

点差に関係なくリード時に登板し、3イニング以上投げ、リードしたまま降板するとホールドがつきます。

かんたんに説明すると、勝っている場面で勝ち負けがつかずに3イニング以上投げると、ホールドが記録されます。

同点の場合

以下は同点の場合です。

  1. 同点のまま、失点せずに降板する
  2. 登板中に自チームが勝ち越した場合は、勝っている状態を保ったまま降板する

詳しく説明します。

同点のまま失点せずにマウンドを降りる

同点のままマウンドを降りた場合は、ホールドが記録されます。

シンプルで分かりやすいと思います。

登板中に自チームが勝ち越した場合は、勝っている状態のままマウンドを降りる

登板中に自チームが点数を入れて勝ち越した場合は、勝っている状態のままマウンドを降りると、ホールドが記録されます。

初めに上げた7つの条件を満たしたうえで、これらの条件の内一つを満たせばホールドがつきます。

細かくて、分かりづらいですよね。
そこでプロ野球の試合を例に説明します。

例題

2020年、10月2日、DeNA対中日戦です。

【試合のスコア】

中日 VS DeNAのホールドの例

試合内容は、ざっくりですが上記の通りです。

それでは一人ずつみてみます。
先発と最後に投げた投手、勝ち負けのついた投手は、ホールドの対象外なので除きます。

中日のホールド

又吉投手の場合、5回4-3で勝っている場面で登板。1回無失点で降板したのでホールドがつきます。

谷本投手の場合、6回5-3の勝っている場面で登板。2失点で同点に追い付かれたため、ホールドがつきません。

祖父江投手の場合、8回8-5で勝っている場面で登板。3点以内の場面を1回無失点で抑えたのでホールドがつきます。

DeNAのホールド

国吉投手の場合、5回3-5で負けている場面で登板。負けている場面のためホールドがつきません。

平田、砂田投手も、負けている場面なのでホールドがつきません。

パットンの場合、7回5-5の場面で登板。同点の場面で失点せずに降板したのでホールドがつきます。

ざっくりですが、何となく理解できたでしょうか?

セーブと違うのはホールドの場合、負けたチームであってもホールドがつきます。上記の試合でも両チームからホールドを得る選手がでています。

ホールドポイント(HP)とは

野球のホールドポイントとは

日本のプロ野球の公式記録には、ホールドとホールドポイント(HP)があります。

ホールドポイントとは、ホールドと救援勝利の数を合計した数字のこと

例えばホールド数8、救援勝利数4の投手がいたらホールドポイントは12となります。

ホールドとホールドポイントの違いを説明すると以下です。

ホールド=勝ち負けがつかず試合展開を保って降板
ホールドポイント=ホールド+救援勝利数

ホールドポイントは、メジャーリーグでは採用されていませんが、日本では公式に採用されています。

最優秀中継ぎ投手の選考基準で、2005年から採用された記録です。
最優秀中継ぎ投手に選ばれる基準は、ホールド数ではなくホールドポイント数になっています。

ということでホールドポイントの数字のほうが、ホールドより大切になります。

【注意点】
リリーフ投手として、登板試合した際の勝利数になります。

例えばリリーフ投手が先発し、勝利した場合は、ホールドポイントに含まれません。

ホールドポイントの存在意味

なぜホールドポイントがあるかと言うと、例えば同点の状況で登板した投手が1回を失点せずに降板したとします。

この時点で、その投手はホールドの条件に当てはまるので、ホールドがつきます。

しかしその裏の攻撃で自チームが得点をとり勝ち越すと、「勝ち」が優先されるので、ホールドが勝利投手に変わります。

本来中継ぎ投手はホールドで評価されるべきですが、状況によって役割を果たしているのに、勝ち数が多くなりホールドの数が少ない投手も出てきます。

ホールドの数だけでは、中継ぎ投手の評価ができないためホールドポイントがあります。

したがって、ホールドポイントも、中継ぎ投手を評価するうえで大切な数字です。

例えば
ホールド数22、救援勝利数3の投手G
ホールド数18、救援勝利数8の投手S

2人の投手がいたとします。
この場合、最優秀中継ぎ投手はホールドポイント26の投手Sとなります。

ここからは、セーブについて詳しく解説していきます。

野球のセーブとは

野球のセーブとは

セーブとは、勝っている試合の最後に投げる投手(クローザー、抑え投手)が、リードを守り抜いたことによって与えられる記録です。

抑え投手(クローザー、守護神)が「チームの勝ちにどれだけ貢献したか」を表す数字です。

例えば、抑え投手なのにセーブが少なく勝ち数が多い投手は、セーブ機会で失敗の多い投手と言うことがわかります。逆にセーブが多く、勝ちや負けの少ない投手は、優秀な抑え投手と言うことが分かります。

こんな感じで抑え投手の能力が分かる数字です。

抑え投手は試合の最後に投げる投手ですから、チームの勝ち負けに直結する重要な役割です。プレッシャーも多く、失敗=負けとなるような重要な役割です。

プロ野球では、投手の分業制が進み中継ぎ、抑え投手の活躍がチームの勝ち負けに大きく関わるようになりました。

以前は抑え投手(クローザー)を評価する基準がなかったため、セーブが制定されました。

そのシーズンに最も多くのセーブを獲得した選手に、最多セーブ投手のタイトルが与えられます。

またセーブのつく条件が実は複雑で、「3点差以内で1回を抑えると記録される」だけではありません。1アウトでもセーブがつく場面もあります。

詳しく知らない方も多いので、本記事でセーブのつく条件について深掘りします。

セーブ条件1(①~④すべてを満たす)

セーブがつく条件(①~④すべてを満たす)

以下の4つはセーブがつく必須の条件で、全てを満たす必要があります。

  1. 勝利チームの最後に投げた投手であること
  2. 勝ち投手ではないこと
  3. アウトを一つ(1/3)以上とること
  4. 勝ち越されずに試合を終えること

①勝利チームで最後に投げた投手であること

勝った試合の、最後に投げた投手でないといけません。

このため、リリーフ(中継ぎ)投手にセーブはつきません。

②勝ち投手ではないこと

勝ちとセーブは、同時につきません。

例えば先発投手が9回まで投げても、同じ投手に「勝ち」と「セーブ」が同時につくことはありません。

勝ちがついている場合は、勝ちが優先されます。

③アウトを一つ(1/3)以上とること

セーブがつくためには、最低1アウト(1/3回)以上アウトを取らなければなりません。

ちなみに
1/3=1アウト
2/3=2アウト
3/3=3アウト
と考えてください。

こちらは最低1アウトがミソです。後ほど紹介する条件によっては、「3個のアウト」「9個のアウト」でセーブが記録される場面もあります。

逆に1アウトでもケースによって、セーブがつくこともあります。

ちなみに牽制アウトでもセーブがつきます。

④リードを守り試合を終える

逆転や同点にされると、セーブが消えます。

例えば、抑え投手が9回表に登板し同点に追いつかれたとします。

この場合は、セーブの権利がなくなります。仮に9回裏に味方がサヨナラ勝ちをしても、その投手にはセーブがつかず「勝ち」がつきます。

セーブ条件2(上記を満たしたうえで下記の中の一つを満たす)

セーブ条件(上記を満たしたうえで下記の中の一つを満たす)

以上4つを満たしたうえで、下記の項目に一つでも該当するればセーブがつきます。

  1. 点差が3点以内なら1回以上投げる
  2. 対戦する打者2人に本塁打を浴びたら同点、もしくは逆転となる場合にリードを守り切った場合
  3. 点差に関係なく3回以上投げる

①3点以内の場合は、1回以上投げる

3点以内の場合は、1回以上投げないとセーブがつきません。

最もオーソドックスなセーブの権利で、何となく理解している方がほとんどではないでしょうか。

4点以上点差が離れている場合は、1回を投げてもセーブがつきません。

※例外があるので、のちほど紹介します。

②対戦する打者2人に本塁打を浴びたら同点、もしくは逆転となる場合にリードを守り切った場合

長いので分かりづらいですが、以下の状況で登板すると1アウトでセーブがつきます。

  • A:2点差以内で、ランナー無し
  • B:3点差以内で、ランナー1人
  • C:4点差以内で、ランナー2人
  • D:5点差以内で、ランナー満塁

それぞれの状況で1アウト以上とり、試合が終わるとセーブが記録されます。

Aの場合:ソロHR+ソロHRで同点になるので、リードを守るとセーブがつきます。

Bの場合:2ランHR+ソロHRで同点になるので、リードを守るとセーブがつきます。

Cの場合:3ランHR+ソロHRで同点になるので、リードを守るとセーブがつきます。

Dの場合:満塁HR+ソロHRで同点になるので、リードを守るとセーブがつきます。

例えばBの場合でも点差が4点あった場合は、ホームランを2本打たれても同点にならないので、セーブはつきません。

ちょっと分かりづらいのですが、ランナーがいる場面で抑え投手が出てきた場面を想像してもらえると、分かりやすいかと思います。

③点差に関係なく3回以上投げること

3回以上を投げると、点差に関係なくセーブがつきます。

3点差以内の場合は1回を投げて、同点にならなければセーブがつきます。

逆に点差が離れていても3回以上投げるとセーブがつきます。

ただし②で紹介した、満塁で5点差以内などの登板であれば、1アウトでもセーブがつく可能性があります。

大量リードの場面で、抑えや中継ぎ投手を温存し、少し実力の落ちる投手が投げた場合に、まれにあるケースです。

過去にはドジャース時代の前田健太投手が6-1の6回から登板、4イニングを1失点で投げてセーブを記録しています。

レアなセーブ条件の例

レアなセーブ条件の例

多くの方が3点差以内の9回というイメージだと思いますが、3回以上投げると、点数に関係なくなります。

2017年7月11日に行われた千葉ロッテマリーンズ対西武戦、11点リードの7回、岡本洋介投手が2番手として登板。3回2失点の成績だったので、セーブが記録されました。

このように点数が離れても、3回以上投げ、試合が終わるとセーブが記録されます。

また1アウトでセーブがついたケースもあります。
一例です。

2017年6月30日に行われた阪神対ヤクルト戦、4-3でリードした9回裏カウント2-2、秋吉投手の負傷で近藤一樹投手が登板。

1球で三振に打ち取り試合終了。1球でセーブを記録しました。

走者と点数によって、1アウトでもセーブがつきます。

セーブポイントとは

セーブポイントとは、中継ぎ投手、抑え投手の記録でセーブと救援勝利を合計したもの。

プロ野球では、1976年から2004年まで使用され、現在は公式記録から廃止されている。

ちなみにホールドポイントは、現在も公式記録として採用されています。

セーブ・ホールド・ホールドポイント=公式記録
セーブポイント=現在ありません

セーブ機会とは

セーブ機会はセーブ数の合計とセーブに失敗した数の合計です。

【セーブ機会】
セーブ数+セーブ失敗数

セーブがつく状況でどのくらい登板したか、分かる数値です。
試合展開によっては、複数の投手につく場合もあります。

日本では、公式記録ではありません。メジャーリーグのみ記録になります。

セーブ成功率とは

セーブ数は、セーブに失敗した回数が含まれません。
そのためセーブに成功した割合をだした数値です。

計算方法

セーブ数の合計÷セーブ機会

セーブ数の合計をセーブ機会で割ることで、求められる。
数値が高いほど、失敗がない抑え投手です。

個人的には、9割ぐらいほしいところです。

ここからは、セーブに関する記録(通算、シーズン、現在)をみていきます。

【まとめ】野球のホールドとセーブ

ホールドとは中継ぎ投手を評価する指標。
セーブとは抑え投手を評価する指標。

近年では、投手の分業化が進み中継ぎ、抑え投手の重要性が高まっています。
どちらも重要なデータですね。

プロ野球でも中継ぎ投手の成績がチームの成績に大きく影響していることは、誰の目にも明らかです。

ホールド等はシブい数字ですが、チームへの貢献度は高いです。

宮西投手は、名球会クラスの成績を残していると勝手に思っていますが、評価がイマイチでは?

この記事を機会に、もう1度中継ぎ、抑え投手の重要性を認識してもらえたらと思います。中継ぎ・抑え投手の大切な役割については 【必見】リリーフ投手(中継ぎ、抑え)の種類と役割とは?でまとめています。

また野球に関する記録や用語は【保存版】野球初心者にもわかりやすい野球用語一覧でまとめています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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