こんにちは、たっけーです。
・プロテクトや人的補償、金銭補償とは?ポスティングとの違いを知りたい
・2020年のFA資格者、来年2021年のFA資格者が知りたい
このような疑問を解決します。
本記事の内容
- 野球のFAとは
- FAの取得条件
- FAとポスティングとの違い
- プロテクト、金銭補償、人的補償とは
- 2020、2021年のFA取得者
- 難しいFAについて質問形式で回答
- FAの問題点
以上の内容をそれぞれ解説します。
本記事の信頼性
現在も毎日野球観戦しています。
本記事は、日本野球機構(NPB)、フリーエージェント規約、日本プロ野球選手会の情報をもとに作成しました。
また「かんたんなFAとは?」や「FAの難しいルール」「FAの問題点」についても分かりやすく説明しますので、ぜひチェックしてみてください。
それでは、本題に入ります。
野球のFAとは?なぜFAがあるのか?
プロへ進むのはクジ運で入団、FA権をもったら自由に移籍をするということです。
ちなみにポスティングとFAは、違うものなので注意してください。ポスティングについては»ポスティングシステム概要をご覧ください。
FAの取得条件
1軍での登録日数によって、FAを取得できます。
FAには国内FAと、海外FAの2種類あります。詳しくみていきましょう。
国内FAの取得
国内FAとは日本のプロ野球全球団と交渉、契約できる権利。
・高卒8シーズン(合計1,160日)
・2007年以降のドラフトで入団した大卒、社会人は7シーズン(合計1,015日)
海外FAの取得
海外FAとは日本のプロ野球だけではなく、メジャー等の海外チームと交渉、契約できる権利。
全選手9シーズン(合計1,305日)
シーズンとは
FA権を取得する条件の「シーズン」とは1シーズン、145日以上の出場登録(一軍)が条件となります。
※CS(クライマックスシリーズ)も日数に含まれます。球団が変わっても引き継がれる。
投手の場合は、オールスターやCS前後の登録抹消についても、一定条件を満たせば登録扱いになります。詳しくはプロ野球選手会公式ページをご覧ください。
FA最短取得年
大卒→最短29歳
社会人→最短31歳、28歳(高卒社会人)
FAで移籍すると金銭補償と人的補償が発生
選手がFAで他球団に移籍すると、選手を獲得した球団は前の球団に対して、金銭と人の補償が発生します。
補償の内容は、前の球団の年俸によるランクでA、B、Cにランク付けされます。
ランクは以下のとおりです。
- Aランク:年俸上位1位~3位(外国人を除く)
- Bランク:年俸上位4位~10位(外国人を除く)
- Cランク:年俸11位以下(外国人を除く)
補償内容は、移籍した選手のランクにより人とお金で補償します。
- Aランク:「人+(前球団)年俸の50%金銭」or「年俸の80%の金銭」
- Bランク:「人+(前球団)年峰の40%の金銭」or「年俸60%の金銭」
- ランクC:補償なし
FAで選手を獲得した球団の人的補償ですが、全ての選手から選ぶことはできません。新球団が人的補償による流出を防ぐために選ぶ選手が「プロテクト」です。
プロテクトとは
FAした選手を獲得した球団は、28人の選手をプロテクトとして、人的補償の対象外とすることができます。
前球団はプロテクトにのっていない選手から、人的補償を選ぶことになります。
プロテクトについては、非公開でファンはもちろん、選手も分からないらしいです。球団の運営、編成に関わる、一部関係者のみ分かるとのこと。
プロテクトは問題あり!?
プロテクトについては度々話題になります。
近年では元巨人の長野、内海選手がプロテクト対象外のため、FAの人的補償で他球団に移籍しました。FA移籍だけではなく「誰が人的補償になるのか」にも、注目が集まっています。
この制度については、球界内でもただのトレードといった意見もあります。
FA選手獲得の流れ
おさらいを含めて、2020年の例です。
↓
FA宣言選手公示(12月5日)
↓
FA選手獲得
↓
獲得球団は、プロテクト選手名簿を提出(12月19日まで)
↓
全ての補償を完了させる(1月14日まで)
FA権を使うことを「FA宣言」と言います。日本シリーズ終了から7日以内(土日を除く)に宣言しなければなりません。
2020年は、12月5日にFA宣言選手の公示(発表)がありました。
公示後2週間以内に移籍先の決定、新球団はプロテクトリストを提出する。
その後2週間以内に旧球団は、プロテクトリスト外から選手を獲得する。
公示から40日後に全て完了します。
※両球団の合意があれば、日にちが伸びることもある。
FAの獲得人数
FA選手と契約を結べるのは、2名までです。
しかしFA宣言選手が多い場合は、以下のようになります。
- FA選手21名以上30名以下→3人
- FA選手31名以上40名以下→4人
- FA選手41名以上→5人
※FA宣言をして残留した選手と、ランクCの選手を含まない。
2020年度のFA保有者
FA宣言者が注目されますが、意外と多くの選手がFA資格を保有しています。
国内、海外フリーエージェント保有者は、以下で確認ください。
»2020年度フリーエージェント有資格者
国内FA宣言選手
2020年のFA宣言選手は以下のとおりです。
- 熊代 聖人(西武)12月8日:残留
- 増田 達志(西武)12月8日:残留
- 松永 昴大(ロッテ)1月27日:残留
- 小川 泰弘(ヤクルト)12月25日:残留
- 井納 翔一(横浜)12月14日:巨人と契約
- 梶谷 隆幸(横浜)12月14日:巨人と契約
梶谷隆幸:巨人入団(4年総額8億円)→Bランク 人的補償が必要
追記:田中俊太選手が梶谷選手の人的補償で、横浜に移籍しました。
海外FA宣言選手
2021年度中にFA権を取得しそうな選手
ケガなどがなかった場合になります。
- 大瀬良大地(広島)
- 九里亜蓮(広島)
- 一岡竜司(広島)
- 中崎翔太(広島)
- 田原誠次(巨人)
- 野上亮磨(巨人)
- 大竹寛(巨人)
- 三上朋也(横浜)
- 山崎康晃(横浜)
- 又吉克樹(中日)
- 祖父江大輔(中日)
- 武田翔太(ソフトバンク)
- 嘉弥真新也(ソフトバンク)
- 秋吉亮(日本ハム)
- 石川歩(ロッテ)
- 辛島航(楽天)
- 松葉貴大(オリックス)
- 梅野隆太郎(阪神)
- 宮崎敏郎(横浜)
- 阿部友裕(広島)
- 福田永将(中日)
- 近藤健介(日本ハム)
- 大田泰示(日本ハム)
以上が2021年にFA権を取得しそうな選手です。
ここからは、少し難しいFAの話を質問形式で説明します。
FAについての質問
FA宣言をしても残留は可能?
多くの選手がFA宣言したら、移籍となるのが一般的です。
FA宣言しなかった場合はどうなる?
この先は、宣言するまで持ち越されます。
2回目のFAは何年後?
2回目のFA宣言は、取得期間が変わるのも注意点です。
また、補償額も変わります。
- Aランク:「人+(前球団)年俸の25%金銭」or「年俸の40%の金銭」
- Bランク:「人+(前球団)年峰の20%の金銭」or「年俸30%の金銭」
- ランクC:補償なし
1回目のFA宣言と比べると、金銭が半分になります。
外国人枠の選手のFAは?
優良助っ人外国人がいると、編成の幅が広がりますね。
故障者選手特例措置制度とは
人的補償の移籍を拒否したら?
育成選手は人的補償の対象になるのか?
FAの問題点
ここからは、FAの問題点を解説します。
この制度については、かなり賛否がある制度になっています。
そこで選手、ファン、球団の視点から問題点をみてみます。
選手からみた問題点
選手からみた問題点は以下のとおりです。
- そもそもFA宣言をしないと、他の球団と交渉ができない
- FA宣言をして移籍すると、裏切り者扱い、誹謗中傷がある
- FA宣言をしても、獲得する球団があるか分からない
- プロテクト、人的補償があると宣言するか迷う
詳しくみていきましょう
FA宣言をしないと、他の球団と交渉できない
元巨人の上原さんが、この問題について記事にしていました。
選手の立場から考えると、FA選手が増えるので移籍市場も活発になり、選手にとってはメリットが大きそうです。
ただFA選手が多くなるので、「自動的に引退に追い込まれる」といった意見もあります。
FAで移籍をすると裏切り者、誹謗中傷がある
応援しているチームの選手がお金で他球団に移籍となると、文句を言いたくなる気持ちも分かります。
本来FAは選手のための制度なので、ファンが選手の気持ちを理解していくしかないですね。
FA宣言をしても、獲得する球団があるか分からない
選手目線で見ると不安だと思いますが、プロ野球選手である以上、必要とされれば働けて、必要なければ働けない、となるのでしょうがないですね。
プロテクト、人的補償があると宣言するか迷う
相手チームの選手のことを考えると、ためらう選手もいるかもしれません。
選手の負担を減らすという意味でも、「FA宣言は無し」、「自動取得」のほうがいいのかもしれません。
「プロだからそんなことは気にするな」という気持ちもあります。
ファンからみた問題点
球団の人気選手が他球団の中心選手になる
さいさん話してきましたが、ファンとしてFA移籍を受け入れるのはつらいですが、受け入れましょう。そして人的補償で移籍してきた選手を、全力で応援しましょう。
それが全ての選手へのリスペクトにつながります。
球団からみた問題点
- FA選手を獲得するのにリスクがある
- ベテランや期待の若手がプロテクトからもれてしてしまう
- 結局ただのトレードになっている、可能性がある
同じような内容ですが、詳しくみていきましょう。
FA選手を獲得するのにリスクがある
FA選手を獲得するには、自軍の選手をほぼ一人移籍させなければいけないので、球団としてもリスクを背負います。
このように考えると、ただの「人+金銭トレード」と変わらないという意見もあります。
巨人やソフトバンクは、現行の制度に文句があるような趣旨の発言をしています。逆に他の球団は、今の制度で実力の均衡が保たれていると考えています。
金持ち球団とそうでない球団によっても、考え方に差があるようです。
FAの問題点まとめ
そもそもFAとは、選手の地位向上のために作られた制度です。しかし現行の制度では、選手よりも球団に多くのメリットがあるように感じます。球団にもリスクは、ありますが。
そして熱心なファンも球団を応援するため、FA宣言をすると、「選手を裏切り者」「人気球団にとられた」となるので、なかなか選手の立場が向上しません。
※最近は、少しずつ変わってきていると思いますが。
なかなか理解できることではないですが、移籍してもその選手を応援していきたいですね。
FAを理解して野球をより楽しもう
野球の楽しいところは、シーズンオフも楽しめるところではないでしょうか?
そんなオフシーズンもいいのかなと思っています。
もしも本記事でも分からないことは、日本野球機構(NPB)、フリーエージェント規約、日本プロ野球選手会の3サイトをご覧いただくと、大体のことはのっています。
FAについては以上になります。
ポスティングについても記事にしているので、気になる方は»野球のポスティングシステム概要をご覧ください。
オフシーズンも色々な番組がやっています。
オフシーズンにDAZNで放送する番組をまとめました。»DAZNでオフシーズンに放送される野球番組をご覧ください
また自由契約、トライアウトについても記事にしています。»【2020年】プロ野球合同トライアウト概要、合格者をご覧ください。