プロ野球のFA権を誰にでも分かりやすく画像を使って徹底解説

こんにちは、たっけーです。

悩んでいる人
・野球のFAが複雑で分かりません
・プロテクトや人的補償、金銭補償とは?ポスティングとの違いを知りたい
・2020年のFA資格者、来年2021年のFA資格者が知りたい

このような疑問を解決します。

本記事の内容

  • 野球のFAとは
  • FAの取得条件
  • FAとポスティングとの違い
  • プロテクト、金銭補償、人的補償とは
  • 2020、2021年のFA取得者
  • 難しいFAについて質問形式で回答
  • FAの問題点

以上の内容をそれぞれ解説します。

本記事の信頼性

たっけー
野球歴30年のたっけーが解説します。
現在も毎日野球観戦しています。

本記事は、日本野球機構(NPB)フリーエージェント規約日本プロ野球選手会の情報をもとに作成しました。

本記事を読むことによって、FAの概要、2020年、2021年のFA取得者が分かるようになっています。

また「かんたんなFAとは?」や「FAの難しいルール」「FAの問題点」についても分かりやすく説明しますので、ぜひチェックしてみてください。

それでは、本題に入ります。

野球のFAとは?なぜFAがあるのか?

野球のFAとは?なぜFAがあるのか?

FA=フリーエージェント(free agent)の略です。

FAになると、選手があらゆる球団と契約を結ぶことができる権利のことです。毎年オフシーズンになると、自分の所属球団と来季の年俸を決め、契約を行います。

単年契約、複数年契約みたいな記事を見ると思います。

しかしFA権を取得して行使すると、他球団とも契約交渉をすることができます。実力のある選手であれば、お金を多くもらえるチームに移籍するのは、プロとして当然の考え方です。

「FAが野球人生を左右する」と言っても過言ではないくらい、重要な制度になっています。

FA導入の経緯

FA制度の導入を提言したのは、松永浩美と言われています。当時、逆指名ドラフト制で人気の無い球団に選手がいかなくなったため、不公平を無くし移籍を自由にするために、つくられた制度です。

プロへ進むのはクジ運で入団、FA権をもったら自由に移籍をするということです。

ちなみにポスティングとFAは違うので、注意してください。ポスティングについては»ポスティングシステム概要をご覧ください。

FAの取得条件

FAの取得条件

かんたんに言うと、1軍でのシーズンによって、FAを取得できます。
FAには国内FAと、海外FAの2種類あります。

詳しくみていきましょう。

国内FAの取得

国内FAとは日本のプロ野球全球団と交渉、契約できる権利。

【取得年数】
・高卒8シーズン(合計1,160日)
・2007年以降のドラフトで入団した大卒、社会人は7シーズン(合計1,015日)

海外FAの取得

海外FAとは日本のプロ野球だけではなく、メジャー等の海外チームと交渉、契約できる権利。

【取得年数】
全選手9シーズン(合計1,305日)

FAの1シーズンとは

FA権を取得する条件の「シーズン」とは1シーズン、145日以上の出場選手登録(一軍)が条件となります。

145日以上、出場選手登録されると、1シーズンとしてカウントされます。

ちなみに、試合の出場は関係ありません。
出場選手登録されていると、日数にカウントされます。

プロ野球は6か月程度(3月末~10月)開催されますので、180日ぐらいが最大になります。したがって大きな故障をしなければ、1シーズンにカウントされます。

たっけー
【ポイント】
出場試合ではなく、1軍の登録日数での計算になります。
また代打や代走のスペシャリストでもFAを取得できることになります

特殊なケースもあるので、説明します。

145日に出場が満たない場合

この場合は、1シーズンとしてカウントされません。
しかし1軍に出場選手登録されていた日数は、数字として残ります。

そのため他のシーズンの登録日数を合計して145日になった場合、1シーズンとしてカウントされます。

分かりづらいので例で説明します。
ちょっと難しいかもしれないです。

年度登録日数
2011年160日
2012年160日
2013年63日
2014年89日
2015年148日
2016年163日
2017年179日
2018年148日
2019年155日
2020年170日

一例でプロ野球選手の10年間の出場登録日数です。高卒選手と仮定しましょう。

この選手のFA取得年は、2019年になります。

まず145日以上の年が2019、2018、2017、2016、2015、2012、2011年で合計7シーズンです。そして、145日に満たなかった、2013年(63日)と2014年(89日)をたすと、152日となり1シーズンになります。

したがって合計8シーズンになり、2019年がFA取得年となります。

いつFA権を取得できるのか

もう一例みていきます。

年度登録日数
2011年66日
2012年44日
2013年163日
2014年179日
2015年148日
2016年163日
2017年179日
2018年148日
2019年155日
2020年?日

同様にプロ野球選手の過去10年の出場選手登録日数で、高卒選手とします。
この場合、この選手が国内FA権を取得するのは、2020年の登録後35日目です。

これは、まず2011年(66日)と2012年(44日)を足して110日です。
そこに2013年から2019年までは145日以上登録されているので、1シーズンとしてカウントされ、合計7シーズンになります。

よって、2020年に145日に足りない35日を経過すると、FAを取得することができます。

このような形で、145日に満たないシーズンでも足りないシーズンの合計で1シーズンにカウントされます。

※CS(クライマックスシリーズ)も日数に含まれます。また移籍して球団が変わっても日数は引き継がれます。

他にも細かいルールが多くあります。
投手の場合は、オールスターやCS前後の登録抹消についても、一定条件を満たせば登録扱いになります。詳しくはプロ野球選手会公式ページをご覧ください。

FA最短取得年

最短の取得年は、以下のようになっています。

高卒→最短26歳
大卒→最短29歳
社会人→最短31歳、28歳(高卒社会人)

FAで移籍すると金銭補償と人的補償が発生

FA選手の移籍と補償

選手がFAで他球団に移籍すると、選手を獲得した球団は前の球団に対して、金銭と人の補償が発生します。

補償の内容は、前の球団の年俸によるランクでA、B、Cにランク付けされます。

ランクは以下のとおりです。

  • Aランク:年俸上位1位~3位(外国人を除く)
  • Bランク:年俸上位4位~10位(外国人を除く)
  • Cランク:年俸11位以下(外国人を除く)

補償内容は、移籍した選手のランクにより人とお金で補償します。

  • Aランク:「人+(前球団)年俸の50%金銭」or「年俸の80%の金銭」
  • Bランク:「人+(前球団)年峰の40%の金銭」or「年俸60%の金銭」
  • ランクC:補償なし

ここは、わかりづらいので後ほど実例で説明します。

例えば、旧球団で年俸1位の選手がFAで他球団に移籍した場合、「選手+お金(年俸50%分)」か「お金(年俸80%)を補償する必要があります。

FAで選手を獲得した球団の人的補償ですが、全ての選手から選ぶことはできません。新球団が人的補償による流出を防ぐために選ぶ選手が「プロテクト」です。

プロテクトとは

かんたんに言うと、絶対に移籍させたくない選手を相手球団に提示する制度です。

FAした選手を獲得した球団は、28人の選手をプロテクトとして、人的補償の対象外とすることができます。

たっけー
プロテクトされた選手は、FAの補償として選ばれることはありません。逆に選ばれていない選手は、人的補償として移籍の可能性があります。

前球団はプロテクトにのっていない選手から、人的補償を選ぶことになります。

プロテクトについては、非公開でファンはもちろん、選手も分からないらしいです。球団の運営、編成に関わる、一部関係者のみ分かるとのこと。

プロテクトは問題あり!?

プロテクトについては度々話題になります。

近年では元巨人の長野、内海選手がプロテクト対象外のため、FAの人的補償で他球団に移籍しました。FA移籍だけではなく「誰が人的補償になるのか」にも、注目が集まっています。

この制度については、球界内でもただのトレードといった意見もあります。

FAの獲得人数

FA選手と契約を結べるのは、2名までです。

しかしFA宣言選手が多い場合は、以下のようになります。

  • FA選手21名以上30名以下→3人
  • FA選手31名以上40名以下→4人
  • FA選手41名以上→5人

※FA宣言をして残留した選手と、ランクCの選手を含まない。

FA選手獲得の流れ

FA選手獲得の流れ

分かりずらいのでおさらいを含めて、2020年の例を使って解説します。

日本シリーズ終了(11月25日)

FA宣言選手公示(12月5日)

FA選手獲得

獲得球団は、プロテクト選手名簿を提出(12月19日まで)

全ての補償を完了させる(1月14日まで)

FA権を使うことを「FA宣言」と言います。日本シリーズ終了から7日以内(土日を除く)に宣言しなければなりません。

2020年は、12月5日にFA宣言選手の公示(発表)がありました。

公示後2週間以内に移籍先の決定、新球団はプロテクトリストを提出する。

その後2週間以内に旧球団は、プロテクトリスト外から選手を獲得する。

公示から40日後に全て完了します。
※両球団の合意があれば、日にちが伸びることもある。

2020年度のFA保有者

FA宣言者が注目されますが、意外と多くの選手がFA資格を保有しています。

FA資格者でも宣言しなければ、FA権を保持したままとなり、単年契約ならいつでもFA宣言をすることが可能です。

国内、海外フリーエージェント保有者は、以下で確認ください。
»2020年度フリーエージェント有資格者

国内FA宣言選手

2020年のFA宣言選手は以下のとおりです。

  • 熊代 聖人(西武)12月8日:残留
  • 増田 達志(西武)12月8日:残留
  • 松永 昴大(ロッテ)1月27日:残留
  • 小川 泰弘(ヤクルト)12月25日:残留
  • 井納 翔一(横浜)12月14日:巨人と契約
  • 梶谷 隆幸(横浜)12月14日:巨人と契約
井納翔一:巨人入団(2年総額2億円)→Cランク 人的補償が不要
梶谷隆幸:巨人入団(4年総額8億円)→Bランク 人的補償が必要

田中俊太選手が梶谷選手の人的補償で、横浜に移籍しました。

2020年はFA宣言をして、残留した選手の多い年でした。

海外FA宣言選手

澤村 拓一

2021年度中にFA権を取得しそうな選手

ケガなどがなかった場合になります。

  • 大瀬良大地(広島)
  • 九里亜蓮(広島)
  • 一岡竜司(広島)
  • 中崎翔太(広島)
  • 田原誠次(巨人)
  • 野上亮磨(巨人)
  • 大竹寛(巨人)
  • 三上朋也(横浜)
  • 山崎康晃(横浜)
  • 又吉克樹(中日)
  • 祖父江大輔(中日)
  • 武田翔太(ソフトバンク)
  • 嘉弥真新也(ソフトバンク)
  • 秋吉亮(日本ハム)
  • 石川歩(ロッテ)
  • 辛島航(楽天)
  • 松葉貴大(オリックス)
  • 梅野隆太郎(阪神)
  • 宮崎敏郎(横浜)
  • 阿部友裕(広島)
  • 福田永将(中日)
  • 近藤健介(日本ハム)
  • 大田泰示(日本ハム)

以上が2021年にFA権を取得しそうな選手です。

ここからは、少し難しいFAの話を質問形式で説明します。

FAについての質問

FAについての質問

FAについての疑問に答えていきます。

2回目のFA取得年

悩んでいる人
FA宣言選手として公示(発表)された選手の、次のFAは何年後?
たっけー
2回目のFAは残留、移籍問わず、1回目の4年後になります。2回目は、海外FAの権利も同じタイミングで付きます。

2回目のFA宣言は、取得期間が変わるのも注意点です。
また、補償額も変わります。

  • Aランク:「人+(前球団)年俸の25%金銭」or「年俸の40%の金銭」
  • Bランク:「人+(前球団)年峰の20%の金銭」or「年俸30%の金銭」
  • ランクC:補償なし

1回目のFA宣言と比べると、金銭が半分になります。

外国人枠の選手のFA

悩んでいる人
外国人枠の選手がFA権を取得するとどうなる?
たっけー
宣言の有無に関わらず、次のシーズンから外国人枠から外れます。現行の制度は、外国人枠は登録5人まで。ベンチ入り4人までです。

優良助っ人外国人がいると、編成の幅が広がりますね。

故障者選手特例措置制度とは

悩んでいる人
故障者選手特例措置制度とは何ですか?
たっけー
グランウンド上のケガは、最大60日まで選手登録日数に加算されます。145日未満の場合は、加算されるので、選手にとってメリットが大きいですね。

人的補償の移籍を拒否した場合

悩んでいる人
プロテクトリスト以外の選手が、人的補償を拒否したらどうなる?
たっけー
その選手は、資格停止処分となり試合に参加できなくなります。選手に拒否する権利はないですね。

育成選手は人的補償の対象になるのか

悩んでいる人
育成選手は、人的補償の対象になりますか?
たっけー
育成選手は人的補償の対象になりません。プロテクトリストは、支配下選手のみ登録できます。また登録する必要もありません。
期待の若手を育成契約にして、人的補償の対象から外すといった選択もできそうです。ルールの穴ですね。

FAと自由契約の違い

ごちゃごちゃになるのがFAと自由契約です。

FAは本記事で説明したとおり、出場登録が一定数に達すると取得できる制度です。

これに対して自由契約は、球団から「来季の契約をしない」と言われた選手のことです。全く別の制度です。

勘違いする要因として、メジャーリーグではどのチームとも契約していない選手をFA選手と呼びます。

つまり球団から来季の契約を結ばないと言われた選手と、選手登録日数に達した選手、契約が満了した選手など、とにかくどのチームとも契約を結んでいない選手をFAと呼びます。

FAの問題点

FAの問題点

ここからは、FAの問題点を解説します。

この制度については、かなり賛否がある制度になっています。
そこで選手、ファン、球団の視点から問題点をみてみます。

選手からみた問題点

選手からみた問題点は以下のとおりです。

  • そもそもFA宣言をしないと、他の球団と交渉ができない
  • FA宣言をして移籍すると、裏切り者扱い、誹謗中傷がある
  • FA宣言をしても、獲得する球団があるか分からない
  • プロテクト、人的補償があると宣言するか迷う

詳しくみていきましょう

FA宣言をしないと、他の球団と交渉できない

元巨人の上原さんが、この問題について記事にしていました。

アメリカでは、基本的にメジャーに6年間所属すると、自動的にFA選手となります。日本のようにFA宣言というものがありません。

選手の立場から考えると、FA選手が増えるので移籍市場も活発になり、選手にとってはメリットが大きそうです。

ただFA選手が多くなるので、「自動的に引退に追い込まれる」といった意見もあります。

FAで移籍をすると裏切り者、誹謗中傷がある

応援しているチームの選手がお金で他球団に移籍となると、文句を言いたくなる気持ちも分かります。

しかし選手の気持ちからすると、「もともと入りたかった球団」、「年俸が高い球団に移籍する」のは当然ですよね。気持ちや生活を考えると当たり前ですよね。

本来FAは選手のための制度なので、ファンが選手の気持ちを理解していくしかないですね。

FA宣言をしても、獲得する球団があるか分からない

選手目線で見ると不安だと思いますが、プロ野球選手である以上、必要とされれば働けて、必要なければ働けない、となるのでしょうがないですね。

ただ事前の交渉ができないといっても、夏あたりから裏で調査している球団情報が、選手の耳にも届くのではないでしょうか。なのである程度確信があって、FA宣言している選手がほとんどではないかと思います。

プロテクト、人的補償があると宣言するか迷う

相手チームの選手のことを考えると、ためらう選手もいるかもしれません。

選手の負担を減らすという意味でも、「FA宣言は無し」、「自動取得」のほうがいいのかもしれません。

「プロだからそんなことは気にするな」という気持ちもあります。

ファンからみた問題点

「球団の人気選手が他球団の中心選手になる」ことで落胆につながります。そして選手を批判する人もいます。

さいさん話してきましたが、ファンとしてFA移籍を受け入れるのはつらいですが、受け入れましょう。そして人的補償で移籍してきた選手を、全力で応援しましょう。

それが全ての選手へのリスペクトにつながります。

球団からみた問題点

  • FA選手を獲得するのにリスクがある
  • ベテランや期待の若手がプロテクトからもれてしてしまう
  • 結局ただのトレードになっている、可能性がある

同じような内容ですが、詳しくみていきましょう。

FA選手を獲得するのにリスクがある

FA選手を獲得するには、自軍の選手をほぼ一人移籍させなければいけないので、球団としてもリスクを背負います。

このように考えると、ただの「人+金銭トレード」と変わらないという意見もあります。

巨人やソフトバンクは、現行の制度に文句があるような趣旨の発言をしています。逆に他の球団は、今の制度で実力の均衡が保たれていると考えています。

金持ち球団とそうでない球団によっても、考え方に差があるようです。

FAの問題点まとめ

そもそもFAとは、選手の地位向上のために作られた制度です。しかし現行の制度では、選手よりも球団に多くのメリットがあるように感じます。球団にもリスクはありますが。

そして熱心なファンも球団を応援するため、FA宣言をすると、「選手を裏切り者」「人気球団にとられた」となるので、なかなか選手の立場が向上しません。

※最近は、少しずつ変わってきていると思いますが。

選手個人のことを思うのなら、ファンは選手に寄り添っていく必要があるのではないでしょうか。生活ががかているのですから、年俸が高いチーム、地元、待遇が良い、もともと好きな球団に移籍することは、当然のことです。

なかなか理解できることではないですが、移籍してもその選手を応援していきたいですね。

FAを理解して野球をより楽しもう

野球の楽しいところは、シーズンオフも楽しめるところではないでしょうか?

気になる選手の移籍先での活躍を想像すると、来シーズンの期待も高まります。逆に「好きな選手に移籍してほしくないなあ」と思ったりもしますよね。

そんなオフシーズンもいいのかなと思っています。

もしも本記事でも分からないことは、日本野球機構(NPB)フリーエージェント規約日本プロ野球選手会の3サイトをご覧いただくと、大体のことはのっています。

FAについては以上になります。

ポスティングについても記事にしているので、気になる方は»野球のポスティングシステム概要をご覧ください。

オフシーズンも色々な番組がやっています。
オフシーズンにDAZNで放送する番組をまとめました。»DAZNでオフシーズンに放送される野球番組をご覧ください

また自由契約、トライアウトについても記事にしています。»【2020年】プロ野球合同トライアウト概要、合格者をご覧ください。