野球の犠牲バントとは⁉野球歴30年の私が誰にでも分かりやすく解説

本記事で分かること

  • 犠牲バントの意味や効果・目的・行う理由
  • 犠牲バントの歴史
  • 犠牲バントの歴代記録
  • スクイズと犠牲バントの違い
  • 犠牲バントと打数・打席数・出塁率・エラー・成功率・安打・ランナーが複数いる場合・失敗した場合のスコアの考え方

本記事を読めば、犠牲バントのルールや意味・記録(スコア)の考え方など網羅的に知ることができます。

難しい犠牲バントの考え方について、例題を使って分かりやすく解説するので、ぜひチェックしてみてください。

それでは、本題に入ります。

犠牲バントとは

犠牲バントとは

プロ野球のルールブック(公認野球規則)には、以下のように記載されています。

0アウトまたは1アウトで、打者のバントで1人または数人の走者が進塁し、打者は一塁でアウトになるか、または失策がなければ一塁でアウトになったと思われる場合は、犠牲バントを記録する

公認野球規則9.08

このように記載されています。

ちょっと分かりづらいですが、打者はアウトになりランナーが進塁したら犠牲バントとなります。

英語

英語では、Sacrifice buntと呼ばれます。
sacrifice=犠牲
bunt=バント

英語の直訳通りで「犠牲バント」と呼ばれます。

別名

またランナーを次の塁に送ることから、「送りバント」とも呼ばれます。

意味・目的・効果・理由・役割

ざっくり犠牲バントをする理由は、得点を増やすためです。

1塁にランナーがいるより、2塁や3塁にランナーがいた方が得点が入りやすくなります。
たっけー
これは、ホームに近い塁にランナーがいるので当たり前ですよね。

またランナー1塁でバッターが打った場合、ゲッツー(ダブルプレー)の可能性もあります。

したがって、確実に次の塁にランナーを進めるために犠牲バントを行います。

ちなみにバントが成功する確率は、8割程度と言われています。

バッターの出塁率が3割程度と考えると、失敗の少ない戦術と言えます。

ただし現代野球では、実はアウトカウントが増えてランナーが進んでも意味がないと言われるようになっています。

詳しい理由については、以下の記事で解説しています。

バントが意味のない戦術と言われる理由をデータで詳しく解説

スクイズと犠牲バントの違い

スクイズと犠牲バントの違いは、3塁ランナーの有無です。

1塁・2塁ランナーを次の塁に進めるバントを犠牲バント。
3塁ランナーをホームに返すバントをスクイズといいます。

スクイズは、直接得点を取るバントということになります。

歴史

犠牲バントの歴史は、Wikipediaに以下のような記載がありました。

歴史は古く、1860年代にブルックリン・アトランティックスの中心選手として活躍していたディッキー・ピアス(英語版)が最初に犠牲バントを行っていたとされている。

Wikipedia

メジャーリーグで行われ、日本に広まってきたようです。

自己犠牲の精神が美徳とされる日本の野球において、これほど理にかなった戦術はないかもしれません。

歴代世界記録

順位選手名犠打
1位川相昌弘533
2位平野謙431
3位宮本慎也408
4位今宮健太327
5位伊藤勤305

日本で1番犠打を成功させたのは、川相昌弘の533個(世界1位)です。

ランキングを見ると、アベレージヒッターやキャッチャーの犠打数が多くなっています。

また現役選手である今宮健太、菊池涼介の犠打数がどこまで伸びるか楽しみですね。

やり方

基本、ランナー1塁の場合は、1塁側、ランナー2塁の場合は3塁側にボールを転がします。

犠牲バントの場合は、ピッチャーが投げる前から「バントの構え」をするのが一般的です。

守備側の選手は、バントに備えて前寄りに守り、バントを成功させないようにします。

技術的な話をすると、「打つ」と「バント」では全く違う技術が必要で、バントのみの代打選手もいます。

犠牲バントの具体的な例は、後ほど説明します。

スリーバント失敗

普段のバッティングはファールボール=ストライクとなります。

2ストライク後はカウントされず打ち直しが可能です。

しかしバントの場合は特別なルールで、2ストライク後のファールボールは、三振となりバッターアウトとなります。

リスクの少ない作戦とみられますが、うまく決まらなければかんたんにアウトになる戦術と言えます。

成功率

犠牲バントの成功率は、少し古いデータですが、72%~81%というデータがあります。

プロ野球選手の送りバントは、7割から8割成功することを意味しています。

しかし、投手も含まれているとはいえ3割近く失敗すると考えると、どうなんでしょう?

得点との関連性やバントに関するデータはバントが意味のない戦術と言われる理由をデータで詳しく解説でまとめいてます。

犠牲バントのスコアの考え方

犠牲バントのスコアの考え方

ここからは、犠牲バントについてプレーの場面やルールブックの解釈について分かりやすく解説します。

ルールブックの解釈

ここは、ちょっと難しいです。

【ルールブックの解釈】
ランナーが1塁にいる場面、明らかにセーフティーバントと分かるバントをし、結果、バッターはアウト。

ランナーは進塁しても記録は、内野ゴロになります。

しかし打者の行ったバントをみて、「絶対にセーフティーバントだ!」と分からなければ、公式記録員の判断で犠打になります。

【ポイント】
・バント・エラー・ヒットに関する全てのプレーが公式記録員の判断

・犠牲バントかセーフティーバントか分からない時は、打者に有利な記録
がつく。

ここは難しいので基本的に

バントをする

走者は進塁
打者はアウト

この場合は犠牲バント

バントをする

走者は進塁
打者もセーフ

この場合は守備側のミスがなければ安打

このように覚えればOKです。

スクイズ・打点

犠牲バント・犠牲フライ(犠打)で点数が入った場合、打点になります。

また、守備側の選手にエラーやFC(野手選択)があっても、公式記録員が犠打と認めると、打点が記録されます。

つまり、スクイズが成功するとバッターに打点が記録されます。

打席数

犠牲バントを行った場合、打席数にカウントされます。

打数と打席数を勘違いしやすいので、注意しましょう。

打席数は、バッターボックスに立った回数のことです。

したがって、犠牲バントをすると打席数が増えます。

打数

犠牲バントが成功した場合、打数にカウントされません。

これは、もともとアウトになるつもりで、バントを行ったと考えるからです。

また犠牲バントが失敗した場合は、打数に含まれます。

犠牲バントという任務を失敗して、アウトカウントが増えたからと考えるからです。

ヒット(安打)

送りバントが内安打になった場合、犠打にはなりません。

送りバントが結果的にヒット(安打)になった場合、安打が記録され犠打は記録されません。

【例】
①ノーアウトランナー1塁。
②バッターはバントをし、ピッチャー手前へゴロ打球
③投手は迷わずファーストに送球
④しかしバッターの足が早くセーフで1塁出塁。1塁ランナーも2塁へ進塁

エラーや野手選択(FC)がなくバッターが出塁したら、バントヒット(打数1、出塁1)の記録がつきます

打率

犠打は打率に反映されません。

打席数は増えますが、打数が増えないため打率の増減はありません。

出塁率

犠牲バントで出塁率は、下がりません。

しかし犠飛(犠牲フライ)の場合、出塁率に影響があり、下がります。

ややこしいのですが、「バント=出塁率に影響がない」と覚えておきましょう。

失敗

犠牲バントを失敗した場合、凡退したことと同じ意味になります。

犠牲バントという任務に失敗して、アウトカウントが増えたからと考えるからです。

つまり、バッターの打率は下がります。

エラー

バッターが犠牲バントをして、守備側の選手がエラーをした場合を考えます。

公式記録員がエラーしなくてもバントが成功したと考えれば、犠打+エラーが記録されます。

例題で解説します。

【例】
①ノーアウトランナー1塁
②バッターはバントをし、ピッチャ前へゴロ打球
③投手がそのボールをエラーし送球できず
④バッターは出塁し、ランナーは2塁へ

エラーがなくても走者が進塁できたと記録員が判断したら、犠牲バント+エラーの記録がつきます。

逆に明らかな失敗バントの場合、エラーのみが記録されることもあります。

野手選択(フィルダースチョイス)

バントをしたバッターをアウトにできるにもかかわらず、守備側がランナーをアウトにしようと試みて失敗し、誰もアウトにならなかった場合には、犠牲バントと野手選択(FC)が記録されます。

分かりづらいので、例題です。

【例】
①ノーアウトランナー1塁
②バッターはバントをし、ピッチャー前へゴロ打球
③投手はセカンドに送球したが、1塁ランナーの足が速くセーフ
④バッターも1塁出塁

一塁に投げたらアウトになったと記録員が判定したら、犠牲バント+野手選択(FC)がつきます。

ランナーが複数いる場合

ランナーが一人以上いる場合、進塁するランナーが一人だけであっても犠牲バントになります。

【例】
ランナー 一・三塁でバント

三塁ランナーは動かず、一塁ランナーが二塁に進塁

この場合でも犠牲バントになります。
進塁できるランナーを進塁させると、犠牲バントになります。

【例】
ランナー 一・ニ塁でバント

三塁はセーフ
二塁はアウト
バッターはアウト

この場合は犠牲バントにはなりません。
進める走者が全て進塁しないと、犠牲バントになりません。

犠牲バントのまとめ

犠牲バントは、セイバーメトリクスの進化により、意味がないと言われる時代になりました。

実際MLBでのバント数は、かなりの減少傾向にあります。

今後日本のプロ野球でも、減っていくのでしょうか。

バントは日本人の伝統芸能のような気もするので、個人的には残ってほしいなと思います。

時代は回ると言うので、何十年後には再評価される時代が来るかもしれません。

今後のバントはどうなっていくのかに注目しつつ、プロ野球を楽しんでいきましょう。

セイバーメトリクスについては【保存版】セイバーメトリクス指標一覧【基本から分かりやすく解説】でまとめているので見ると、野球観戦がより楽しくなりますよ!